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GUIDE

6700万年前の恐竜に出会う。メルボルン博物館で巡る、自然と文化の歴史

メルボルン中心部の北側、緑豊かなカールトン・ガーデンズに隣接する「メルボルン博物館(Melbourne Museum)」。恐竜の化石からオーストラリア固有の動植物、先住民文化、ビクトリア州の歴史まで、幅広い分野を扱う総合博物館だ。

館内は広大で、興味深い展示が数多く揃う。ひとつずつじっくりと見て回れば、時間がいくらあっても足りないほどだ。限られた旅行日程で訪れるなら、あらかじめ見たい展示を決めておくと効率よく巡れるだろう。なかでも注目したいのが、世界屈指の保存状態を誇るトリケラトプスの実物化石。今回は、この巨大な恐竜標本をはじめ、メルボルン博物館で見逃したくない3つの展示を紹介する。

自然史から文化まで。メルボルンを代表する総合博物館

メルボルン博物館があるのは、CBDの北側に位置するカールトン地区。世界遺産に登録されている王立展示館(Royal Exhibition Building)のすぐ隣に建っている。市内中心部からはトラム86・96番を利用でき、パーラメント駅から徒歩で向かうことも可能。周辺には広々とした庭園が広がっており、博物館の見学とあわせて散策を楽しめる。

館内には恐竜や動物の標本、地球の歴史を紹介する自然史展示のほか、ビクトリア州の歴史、先住民文化、科学に関する展示などが集まっている。子ども向けの体験型エリアもあり、幅広い世代が楽しめる施設だ。一般入場券は公式サイトから事前購入できるほか、旅行・体験予約サイトのKlookでも取り扱いがある。購入先によって料金やキャンセル条件が異なる場合があるため、比較してから選ぶといいだろう。

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2000年に開館。メルボルンの歴史とともに歩む博物館

現在のメルボルン博物館が開館したのは、2000年10月21日のこと。ただし、その歴史は19世紀半ばまでさかのぼる。前身となる博物館は1854年に設立された。当時のビクトリア州はゴールドラッシュによって急速な発展を遂げており、自然科学や文化、歴史に関する資料の収集・研究も進められていた。

その後、博物館は州立図書館の敷地内などを経て、現在のカールトン・ガーデンズへ移転。より充実した展示・研究環境を備えるため、新たな建物が建設された。現代的な博物館のすぐ隣には、1880年のメルボルン万国博覧会のために建てられた王立展示館が残されている。19世紀と現代、異なる時代の建築が並ぶ風景も、この場所ならではの見どころだ。なお、世界遺産に登録されているのは王立展示館とカールトン・ガーデンズであり、メルボルン博物館の建物自体ではない。

時間がなくても見ておきたい、3つの展示

メルボルン博物館をじっくり見学するなら、少なくとも2〜3時間程度は確保しておきたい。時間が限られている場合は、まず次の3つの展示を優先すると、恐竜、先住民文化、オーストラリアの自然という、それぞれ異なるテーマに触れられる。

トリケラトプス|約85%が実物の骨で構成された「Horridus」

博物館を訪れたら、ぜひ最初に見ておきたいのが「Triceratops: Fate of the Dinosaurs」。主役は、約6700万年前に生きていたトリケラトプスの化石「Horridus(ホリダス)」だ。全長約7m。全身の約85%に相当する266個の骨が残る、世界でも特に保存状態のよいトリケラトプスの標本として知られている。ホリダスが発見されたのは2014年、アメリカ・モンタナ州。地表から突き出していた骨盤の一部が発見のきっかけとなり、その後、厚い砂岩の下から骨格が掘り出された。

2021年にメルボルンへ到着。博物館では一つひとつの骨の計測や記録、3Dスキャンなどを経て、2022年から一般公開されている。トリケラトプスといえば、3本の角と頭部の大きなフリルが特徴的な草食恐竜。白亜紀末期の北アメリカに生息し、ティラノサウルスと同じ時代を生きていた。

展示室で実際に向き合うと、その大きさと骨格の迫力に圧倒される。頭部の角や力強い四肢を眺めていると、この巨大な生き物がかつて地球を歩いていた姿まで想像したくなる。恐竜の骨格標本は複製を組み合わせて展示されることも少なくないが、ホリダスはその大部分が実物。数千万年もの時を経て残された骨が、目の前にあるという事実にもロマンを感じる。骨格を見るだけでなく、発掘や化石化の過程、白亜紀の生態系についても学べる展示だ。

First Peoples|オーストラリアの先住民文化と、その歩みを知る

もうひとつ、ぜひ時間を取って訪れたいのが、先住民文化を紹介する「Bunjilaka Aboriginal Cultural Centre」内の常設展示「First Peoples」だ。ここでは、ビクトリア州のアボリジナル・ピープルを中心に、文化や言語、土地とのつながり、ヨーロッパ人の入植以降に経験した歴史などが紹介されている。

オーストラリアの先住民文化は、数万年にわたって受け継がれてきた世界でも非常に長い歴史を持つ文化のひとつ。しかし、18世紀末以降に進んだヨーロッパ人の植民地化は、その暮らしに大きな影響を与えた。土地の収奪や差別、白人優位の社会制度のもとで進められた同化政策によって、先住民の人々は言語や文化の継承を脅かされてきた。家族から子どもたちが引き離された「盗まれた世代(Stolen Generations)」の歴史も、オーストラリアを理解するうえで避けて通れない。

一方、この展示が伝えているのは、過去の苦難だけではない。600点を超える歴史的・現代的な作品や資料を通して、先住民の文化が現在も受け継がれ、発展し続けていることを知ることができる。

近年、先住民アーティストによる作品は国内外で注目され、伝統的な知識や自然との関わり方も改めて評価されている。ただし、その文化の価値は近年になって初めて生まれたものではない。長い年月をかけて培われてきた知識や表現が、現在も人々の暮らしの中に息づいているのだ。展示はビクトリア州の長老や地域コミュニティの代表者と共同で制作されている。オーストラリアという国をより深く理解するためにも、見逃したくないエリアだ。

Forest Gallery|博物館の中に広がる、ビクトリア州の森

恐竜や歴史の展示を見たあとは、少し趣向を変えて「Forest Gallery(フォレスト・ギャラリー)」へ。ここは、博物館の建物の中央に設けられた、生きた植物や動物を展示するユニークな空間。ビクトリア州の森林環境が再現されており、屋内の展示室を歩いていたはずが、いつの間にか緑に囲まれている。

ギャラリー内には、シダ植物や背の高い木々が生い茂り、水辺や森林に暮らす生き物たちも観察できる。また、単に自然環境を再現するだけでなく、先住民の人々と土地や森との関わりを紹介する展示も設けられている。標本や写真から学ぶのとは異なり、実際の植物に囲まれながら地域の自然を感じられるのが、このギャラリーのおもしろさだ。

メルボルンの歴史と自然を、一度に知る場所

トリケラトプスの化石を前に太古の地球へ思いを巡らせ、先住民文化の展示からオーストラリアの歴史を知り、最後は緑豊かな森の中へ。メルボルン博物館では、ひとつの建物の中で、まったく異なる時代や世界に触れることができる。見学時間に余裕があれば、そのほかの展示にも足を延ばしてみたい。限られた時間であっても、興味のあるテーマを絞って巡れば、充実した時間を過ごせるだろう。

INFORMATION|メルボルン博物館

施設名: Melbourne Museum(メルボルン博物館)

住所: 11 Nicholson Street, Carlton VIC 3053, Australia

アクセス: CBD北側のカールトン・ガーデンズ内。トラム86・96番の「Melbourne Museum/Nicholson Street」付近で下車。パーラメント駅からも徒歩圏内。

開館時間: 9:00〜17:00

休館日: グッドフライデー、クリスマス

一般入場料: 大人18豪ドル/16歳以下無料。特別展や一部体験は別料金となる場合あり。

チケット購入: 公式サイト、Klookなど

所要時間の目安: 約2〜4時間

公式サイト: https://museumsvictoria.com.au/melbournemuseum/

Klook: https://www.klook.com/activity/25608-melbourne-museum-ticket/

※料金・開館時間・展示内容は変更される場合があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認してほしい。