コアラやクオッカに出会う。メルボルン動物園の歩き方
オーストラリアを訪れたなら、コアラやカンガルーなど、この国ならではの動物たちを一度は見ておきたいもの。しかし、野生の姿を探しに行くには時間が足りないという旅行者も多いだろう。そんなときにおすすめなのが、メルボルン中心部から気軽にアクセスできる「メルボルン動物園(Melbourne Zoo)」だ。オーストラリア固有の動物はもちろん、ライオンやゴリラ、トラなど、世界各地の動物たちにも出会える。
ただし、園内は広大で、見応えのある展示も数多い。すべてをじっくり見て回るなら、休憩も含めて5〜6時間ほど確保しておきたい。時間が限られている場合は、あらかじめ見たい動物と展示エリアを決めておくのがおすすめだ。今回は、メルボルン動物園で見逃せないオーストラリアの動物たちを中心に、アクセスや特別な体験、チケットの購入方法まで紹介する。
オーストラリア最古の動物園へ。都心から気軽に訪れる緑豊かな場所
メルボルン動物園は、1862年に開園したオーストラリア最古の動物園。市内北部の広大なロイヤル・パーク内に位置し、緑豊かな敷地で世界各地の動物たちが飼育されている。園内は「Australian Bush」「Lion Gorge」「Gorilla Rainforest」「Forest of Wonder」など、いくつものエリアに分かれている。オーストラリア固有の動物だけでなく、アジアやアフリカの動物たちも楽しめるのが魅力だ。

アクセスは公共交通機関が便利。サザンクロス駅周辺からなら、ウィリアム・ストリート方面へ歩き、58番トラムのWest Coburg方面行きに乗車。「Stop 26 Melbourne Zoo」で下車すれば、動物園の入口はすぐそこだ。乗車場所によって異なるものの、CBD(Central Business District)からの移動時間はおおむね20〜30分ほど。また、鉄道のUpfield線を利用し、Royal Park駅からアクセスする方法もある。運行変更が行われることもあるため、当日の経路は事前に確認しておこう。
オーストラリアならではの動物たちに出会う
オーストラリアならではの動物を優先して見たいなら、まず向かいたいのが「Australian Bush」。コアラやクオッカ、カンガルー、ウォンバットなど、人気の動物たちが集まっている。
コアラ|木の上で暮らす、オーストラリアの人気者
展示エリア:Australian Bush
オーストラリアを代表する動物といえば、やはりコアラ。丸い耳と大きな鼻、ふわふわとした毛並みが特徴の有袋類だ。主食はユーカリの葉。栄養価が低く、消化にも時間がかかるため、1日の大半を眠ったり休んだりして過ごしている。ちなみに「コアラ」という名前は、先住民の言語に由来し、「水を飲まない」という意味と説明されることがある。実際には葉から多くの水分を得ているものの、必要に応じて水を飲むこともあるという。動き回る姿を見られたら、少し幸運かもしれない。

カンガルー|力強いジャンプを生む、発達した後ろ脚
展示エリア:Australian Bush
長い後ろ脚と大きな尻尾を持つカンガルーも、ぜひ見ておきたい動物のひとつ。大きな特徴は、両脚をそろえて跳ねる独特の移動方法。発達した筋肉と腱を使い、効率よく長い距離を移動できる。また、メスのお腹には育児嚢と呼ばれる袋があり、生まれたばかりの小さな赤ちゃんをその中で育てる。袋から顔をのぞかせる姿に出会えたら、思わず足を止めてしまうだろう。

クオッカ|「世界一幸せな動物」と呼ばれる理由
展示エリア:Australian Bush
小さな体と丸い顔が愛らしいクオッカ。口角が上がって見える表情から、「世界一幸せな動物」としてSNSでも人気を集めている。野生では西オーストラリア州のロットネスト島などに生息する小型の有袋類で、カンガルーやワラビーの仲間にあたる。笑っているように見える表情は、もちろん人間と同じ意味で喜んでいるわけではない。それでも、愛嬌たっぷりの顔を眺めていると、自然と笑顔になってしまいそうだ。

ウォンバット|ずんぐりした体と、四角いフンの秘密
展示エリア:Australian Bush
短い脚と丸みを帯びた体が特徴のウォンバット。見た目は小さなクマにも似ているが、コアラと同じ有袋類の仲間だ。地面に穴を掘って巣穴を作り、主に夜間に活動する。展示では、暗い場所で休んでいることもあるため、じっくり探してみよう。面白い豆知識として知られているのが、ウォンバットのフンが四角いこと。腸の中で水分が吸収され、独特の形に整えられると考えられている。
タスマニアデビル|かわいい姿とは対照的な、力強い鳴き声
展示エリア:Lion Gorge周辺(園内マップで要確認)
タスマニア島に生息する肉食性の有袋類、タスマニアデビル。黒い毛並みとずんぐりした体が特徴で、体の大きさに比べて非常に強い顎を持っている。「デビル」という名前は、夜間に響く激しい鳴き声や、食事中の荒々しい様子に由来するといわれている。現在は、顔に腫瘍ができる伝染性の病気などによって個体数が減少しており、保全活動が続けられている。愛らしい見た目だけでなく、野生動物を守る取り組みにも目を向けたい。

エミュー|飛べないけれど、走るのが得意な大型鳥類
展示エリア:Australian Bush
カンガルーとともにオーストラリアの国章にも描かれているエミュー。ダチョウに次いで世界で2番目に背の高い鳥として知られている。翼は小さく飛ぶことはできないが、長く発達した脚を使って高速で走ることができる。ちなみに、エミューはオスが卵を温め、孵化したヒナの世話も担当するという、少し意外な子育ての習性を持っている。
追加料金で楽しめる!コアラに近づく特別な体験
メルボルン動物園では、通常の展示を眺めるだけでなく、飼育員の案内で動物に近づける有料プログラムも用意されている。なかでも人気なのが「Koala Experience」。通常は入れない展示エリアの内側へ案内してもらい、コアラを間近で観察できる特別な体験だ。飼育員からコアラの生態や行動について説明を受けられるほか、ユーカリの葉や飼育環境について学ぶこともできる。
所要時間は約15分、料金は1人49豪ドル。通常の入園料とは別料金で、事前予約が必要だ。なお、ビクトリア州では動物福祉の観点から、観光客がコアラを抱っこする体験は認められていない。そのため、メルボルン動物園の「Koala Experience」でも、コアラを抱っこしたり、触れたりすることはできない。一方で、飼育員の案内のもと、普段は入れないエリアからコアラを間近で観察できるのは、このプログラムならではの魅力。コアラの自然な姿を尊重しながら、その愛らしさをじっくり楽しみたい。
さらに、カンガルーの展示エリアに入る体験や、開園前にオーストラリア固有の動物たちを巡るガイドツアーも用意されている。参加できる曜日や年齢制限はプログラムによって異なるため、公式サイトで確認しておこう。
色鮮やかな蝶が舞う、温室「Butterfly House」
園内でぜひ立ち寄りたいのが、色鮮やかな蝶たちが自由に飛び交う「Butterfly House(バタフライ・ハウス)」。温室内には熱帯の植物が生い茂り、さまざまな種類の蝶が花から花へと舞う姿を間近で観察できる。

ここでは、蝶たちとの思いがけない出会いも楽しみのひとつ。訪問時には、飛んできた蝶が帽子や指先にそっと止まる場面もあった。目の前を優雅に舞う姿を眺めているだけでも美しいが、こうした偶然のふれあいは、旅の記憶に残るひとときになるだろう。ただし、蝶はとても繊細な生き物。無理に捕まえたり、羽に触れたりすることは避け、自然に近づいてくるのを静かに待ちたい。蝶たちのペースを尊重しながら、この小さな温室で過ごす時間を楽しんでほしい。

入園前に確認したい、チケットの購入方法
メルボルン動物園の入園チケットは、公式サイトのほか、旅行予約サービス「Klook」でも購入できる。公式サイトでの大人料金は58豪ドルから。料金は購入時期や条件によって異なり、4〜15歳の子どもはビクトリア州の週末・学校休暇・祝日には無料となる場合がある。
Klookを利用する場合は、希望の日付を選んで購入し、発行されたモバイルバウチャーを入口で提示するだけ。実際の訪問時も、スマートフォンに表示したQRコードを読み取ってもらうだけでスムーズに入園できた。ただし、商品や購入条件によってはチケットへの引き換えが必要な場合もあるため、予約確認画面の案内を確認しておこう。また、コアラなどの有料体験は通常入園チケットに含まれていない。参加したい場合は、別途予約が必要だ。
オーストラリアの動物たちに出会う、特別な一日を
コアラやカンガルー、クオッカなど、オーストラリアならではの動物たちを一度に見られるメルボルン動物園。市内中心部からアクセスしやすい立地にありながら、園内では世界各地の多様な動物たちが飼育されており、じっくりと時間をかけて巡りたい施設だ。
限られた時間で訪れるなら「Australian Bush」を中心に、興味のある展示を組み合わせるのがおすすめ。余裕があれば、コアラの特別体験やバタフライ・ハウスにも立ち寄りたい。メルボルン観光の一日に、オーストラリアの動物たちとの出会いを加えてみてはいかがだろうか。

INFORMATION|Melbourne Zoo
施設名: メルボルン動物園(Melbourne Zoo)
住所: Elliott Avenue, Parkville VIC 3052, Australia
アクセス: CBDから58番トラムで「Stop 26 Melbourne Zoo」下車、またはUpfield線「Royal Park」駅から徒歩すぐ
営業時間: 毎日9:00〜17:00(動物の展示エリアは16:30頃から順次閉鎖)
入園料: 大人58豪ドル〜。子ども料金・割引条件は公式サイトを参照
所要時間: 主な固有種を中心に約2〜3時間、全体をじっくり巡るなら約5〜6時間
主な見どころ: Australian Bush、Koala Experience、Butterfly House、Lion Gorge、Gorilla Rainforest
公式サイト: https://www.zoo.org.au/melbourne/
チケット予約: https://www.klook.com/activity/1847-melbourne-zoo-general-entry-ticket-melbourne/
※動物の展示状況、体験料金、営業時間などは変更される場合があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認してほしい。