立ったまま味わう、絶品カルビ。明洞「ソソカルビ」で楽しむドラム缶焼肉
ソウル・明洞の路地裏にある「ソソカルビ」。ドラム缶を囲んで立ったまま牛カルビを焼く、ユニークなスタイルの焼肉店だ。店内には香ばしい煙が漂い、地元の人々と観光客が肩を並べて食事を楽しむ。注文方法から実際の味わい、訪問前に知っておきたいことまで、現地での体験を紹介する。
ドラム缶を囲んで味わう、明洞の名物カルビ
ソウルを訪れたら、韓国ならではの焼肉文化にも触れてみたい。明洞の中心部から少し路地に入ったところにある「明洞ソソカルビ(명동서서갈비)」は、BTSのVが訪れたことでも話題になった焼肉店。場所は少し分かりにくいものの、路地裏を進んでいくと、どこからともなく肉の焼ける香ばしい匂いが漂ってくる。その匂いをたどれば、目指す店はもうすぐそこだ。

扉を開けると、店内には焼き台を備えたドラム缶がずらり。一般的な焼肉店とは異なり、椅子に座るのではなく、ドラム缶を囲んで立ったまま肉を焼いて食べるという、少し変わったスタイルが特徴だ。観光客の姿も見られるが、ソウルライトも思い思いに焼肉を楽しんでいる。飾り気のない店内には、肉の焼ける音や人々の話し声が響き、どこか雑多で活気のある雰囲気が漂う。スタッフは気さくな印象ながら、店内はなかなかの忙しさ。そんな慌ただしさも、この店らしい光景なのかもしれない。
選ぶのは何人前かだけ。看板メニューの牛カルビを味わう
入店すると、スタッフから最初に尋ねられるのはカルビの注文数。肉のメニューは味付け牛カルビのみなので、何人前にするかを伝えれば注文は完了する。韓国語や英語に自信がなくても、人数を指で示すだけで伝えやすいのは、旅行者にとってもうれしいところだ。

しばらくすると、大きめにカットされた骨付きカルビと特製のタレ、そして付け合わせの青唐辛子が運ばれてくる。韓国語で青唐辛子は「コチュ(고추)」。肉の合間にそのままかじったり、タレと一緒に味わったりすることで、口の中に爽やかな辛味を加えてくれる。日本のシシトウのように辛いものもあるので、初めて食べる場合は少量から試してみたい。
肉はスタッフが焼き始め、ある程度火が通ったところでハサミを使って食べやすい大きさにカットしてくれた。あとは焼き加減を見ながら、じっくりと仕上がりを待つ。ドラム缶の上でジュウジュウと音を立てるカルビ。焼き色が付くにつれて香りも広がり、目の前に肉があるのに、まだ食べられない時間がなんとも待ち遠しい。
そして、いよいよ焼き上がったカルビをひと口。しっかりとした厚みがありながら、肉質は驚くほど柔らかい。甘みのある下味と肉の旨味が重なり、これだけでも十分においしい。

さらに印象的だったのが、ネギやニンニクがたっぷり入った特製ダレだ。甘めの味わいにニンニクやネギなどの香味野菜の風味が加わり、焼きたてのカルビとの相性は抜群。日本の焼肉店でよく見かけるタレとはひと味違い、この味を求めて再び訪れたくなる。肉のボリュームと味わいを考えれば、日本の焼肉店と比べてもかなりリーズナブル。価格以上の満足感が得られる一皿だ。
カルビのお供に、ご飯とキムチを添えて
カルビを食べていると、やはり白いご飯が欲しくなるもの。ソソカルビでは、ご飯やキムチ、ドリンクはセルフサービス方式だった。ご飯はパック入りのものが用意されているので、必要な分を取り、近くに設置された電子レンジで温めて食べよう。
キムチやドリンクは店内奥の冷蔵庫に置かれている。欲しいものを自分で取りに行く仕組みで、これらはカルビとは別料金。利用した分を最後にまとめて精算する。ちなみに、訪問時に用意されていたキムチは、スーパーなどでも見かけそうな真空パック入りのもの。店で漬けた特製キムチというわけではなさそうなので、無理に注文する必要はないかもしれない。とはいえ、甘めのカルビにキムチの酸味や辛味を合わせたり、温かいご飯と一緒に頬張ったりするのも、焼肉ならではの楽しみ方だ。
服に残る香りも思い出に。ソソカルビを楽しむための心得
食事を終えたら、店内のレジで会計を済ませよう。訪問時はクレジットカードでの支払いにも対応していた。ローカルな雰囲気の店ではあるものの、現金を用意せずに食事ができるのは便利だ。
なお、訪問時にはテーブルごとの伝票はなく、スタッフが注文内容や利用状況を確認して、その場で金額を計算する方式だった。ご飯やキムチ、ドリンクなどを追加した場合は、会計時に内容と合計金額を確認しておくと安心だ。
そして、訪問前にもうひとつ知っておきたいのが、店内に漂う焼肉の匂いだ。日本の焼肉店のように各テーブルに強力な排煙設備が整っているわけではなく、店内には肉が焼ける煙と香ばしい匂いが充満している。食事中は食欲をそそる香りだが、服や荷物にはかなり匂いが移る。実際、訪問後にはズボンまで匂いが残り、翌日には着替えが必要になったほどだ。
店内には大きなビニール袋が用意されており、上着やカバンを入れておくことができる。荷物を守るためにも、ぜひ活用したい。お気に入りの服や、すぐに洗濯できない衣類での訪問は少し考えた方がいいかもしれない。もっとも、翌日になっても服に残っていた焼肉の匂いは、不思議と嫌なものではなかった。ふと香りを感じるたびに、あの柔らかなカルビを思い出して、またお腹が空いてしまうのだから。
ソウルで味わいたい、飾らない焼肉の魅力
ドラム缶を囲んで立ったまま肉を焼く。一見すると少し不便にも思えるスタイルだが、実際に訪れてみると、その飾らなさこそがソソカルビの魅力だと感じられる。路地裏に漂う肉の香り、活気のある店内、焼き上がりを待つ時間。そして、ネギやニンニクがたっぷり入った特製ダレで味わう柔らかなカルビ。決して快適さを追求した店ではないけれど、ここでしか味わえない体験がある。話題の店という理由だけで訪れるには、もったいない。ソウルでおいしいカルビを味わいたいなら、ぜひ旅の食事候補に加えたい一軒だ。
INFORMATION
明洞ソソカルビ(명동서서갈비)
住所:서울특별시 중구 명동7가길 20-8(ソウル特別市 中区 明洞7ガキル 20-8)
アクセス:地下鉄2号線「乙支路入口(ウルチロイック)駅」6番出口から徒歩約2〜3分
主なメニュー:味付け牛カルビ 1人前 19,000ウォン(230g)
営業時間:訪問前に最新情報を要確認
支払い:クレジットカード利用可(訪問時)
※価格・営業時間・サービス内容は変更される場合があります。