ホーチミン空港の仮眠室「Sleep Zone」へ。乗り継ぎ時間を快適に過ごす、もうひとつの選択肢
長時間のフライトや乗り継ぎが続く旅では、目的地に到着する前に少しでも体を休めておきたいもの。特に数時間のトランジットは、空港の外へ出るには短く、搭乗ゲートで過ごすには長いという、少し悩ましい待ち時間になりがちだ。
ベトナム・ホーチミンの玄関口、タンソンニャット国際空港には、そんな旅の合間に利用できる有料の仮眠施設「SASCO Sleep Zone(サスコ・スリープゾーン)」がある。今回は、実際に利用した際の申し込み方法や室内の様子、利用前に知っておきたい注意点を紹介する。
1. ホーチミンでの乗り継ぎ。空港内で休むという選択肢
ホーチミン市内へは空港からバスやタクシー、配車アプリなどで移動できる。しかし、乗り継ぎ時間が数時間程度の場合、入出国手続きや道路の混雑、空港へ戻る時間まで考えると、市内観光に出かけるべきか迷うところだ。時間に余裕があるように見えても、交通状況によっては予定どおりに戻れるとは限らない。そんなときに選んだのが、空港内で体を休めるという過ごし方だった。

SASCO Sleep Zoneは、タンソンニャット国際空港の国際線ターミナル(T2)、出国審査後の制限エリア内にある有料仮眠施設。国際線で出発する人や、次の国際線を待つ乗り継ぎ客を対象としている。街へ出かける代わりに、次のフライトまでしっかり休む。到着後の旅行を元気に楽しむためにも、ひとつの選択肢になるだろう。
2. 申し込みは売店「Fresh2Go」で。カードキーを受け取って入室
利用方法はシンプル。まず向かうのは、国際線ターミナルの制限エリア内、搭乗ゲート27付近にある売店「Fresh2Go(フレッシュ・トゥ・ゴー)」。ここがSleep Zoneの受付を兼ねている。店頭で仮眠室を利用したいことと希望する時間を伝え、料金を支払うと、部屋のカードキーを受け取れる仕組みだ。

なお、受付を済ませたあと、仮眠室は売店のすぐ隣にあるドアへ入るわけではなかった。訪問時は途中にカフェを挟んでおり、少し歩いた場所に個室が並んでいた。初めて利用する場合は、カードキーを受け取る際に部屋の場所も確認しておくとスムーズだ。
指定された個室に着いたら、ドアにカードキーをかざして入室する。事前予約をしている場合は、公式案内に従い、Fresh2Goで予約確認メールと搭乗券を提示してキーを受け取ろう。

3. 利用料金は時間制。搭乗券はチェックアウト時に返却
Sleep Zoneの料金は、利用時間に応じて変わる時間制。乗り継ぎ時間に合わせて、必要な分だけ部屋を確保できる。訪問時はクレジットカードでの支払いにも対応していたため、現地通貨の現金を多く持っていなくても利用できた。料金やプランは変更される可能性があるので、申し込み前に店頭の料金表を確認しておこう。
なお、支払いの際には次のフライトの搭乗券の提示を求められ、スタッフが一時的に預かる仕組みになっていた。搭乗券を手放すのは少し気になるかもしれないが、チェックアウト時には返却される。これはSASCOの公式利用規約にも記載されている。返却されたら便名や氏名を確認し、忘れずに受け取っておきたい。
部屋は基本的に大人1名で利用するタイプ。友人やパートナーと一緒に旅行している場合も、それぞれ個別に部屋を確保することになる。公式規約では、大人1名につき5歳未満の子ども1名は無料で同伴できると案内されている。複数人で同じ部屋に入れないのは少し不便にも思えるが、仮眠中はそれぞれのペースで休めるため、かえって気兼ねなく過ごせるかもしれない。
4. 実際の使い心地は?シンプルな個室で、旅の合間にひと休み
カードキーをかざしてドアを開けると、室内はベッドとサイドテーブルを中心としたシンプルなつくり。イメージとしては、日本のネットカフェにある個室ブースに近い。周囲は壁で仕切られているものの、天井まで完全に閉じられた部屋ではなく、上部が開いた構造になっている。そのため、ホテルの客室のような完全なプライベート空間を期待すると、少し印象が異なるかもしれない。周囲の物音が聞こえる可能性もあるので、音に敏感な人は耳栓などを用意しておくと安心だ。

また、利用した部屋には個別のエアコンはなく、備え付けの扇風機で風を送る仕様だった。室温を細かく調整できるわけではないため、服装で調節できるようにしておきたい。一方、室内には電源コンセントが設けられており、スマートフォンなどの充電が可能。フライトの合間に横になって休みながら、次の移動に向けて電子機器も充電しておけるのは便利だった。利用する際は、対応する充電器やケーブルを手荷物に入れておこう。

設備は必要最低限だが、空港の椅子に座って待つのとは違い、横になって休めるのが何よりありがたい。長時間の移動で疲れた体を伸ばし、しばらく目を閉じられるだけでも、次のフライトに向けた気分は変わってくる。そして、利用時に忘れてはいけないのがアラームの設定だ。スタッフが時間になったら起こしに来てくれるサービスではないため、チェックアウト時間だけでなく、次の便の搭乗開始時刻も考慮してアラームを設定しておこう。スマートフォンを充電できるとはいえ、充電器の接続を確認し、念のためアラームを複数回設定しておくと安心だ。寝過ごして飛行機に乗り遅れてしまっては、せっかくの休息も台無しになってしまう。


5. 乗り継ぎ時間を、次の旅に備える時間へ
トランジット中の過ごし方は、空港の外へ出て観光するだけではない。限られた時間だからこそ、移動の負担を増やさず、次のフライトに備えて休息を取るという選択もある。
SASCO Sleep Zoneは、設備こそシンプルだが、空港の制限エリア内で横になって休める貴重な場所。長時間のフライトが続く旅や、乗り継ぎ時間を静かに過ごしたいときには、覚えておきたいサービスだ。
INFORMATION|SASCO Sleep Zone
施設名: SASCO Sleep Zone(サスコ・スリープゾーン)
空港: タンソンニャット国際空港(Tan Son Nhat International Airport/SGN)
場所: 国際線ターミナルT2・出国審査後の制限エリア内、搭乗ゲート27付近
申し込み場所: 売店「Fresh2Go」。受付と仮眠室は少し離れているため、カードキー受け取り時に部屋の場所を確認すると安心。
対象者: タンソンニャット国際空港から国際線で出発する旅客、および国際線の乗り継ぎ旅客。次の国際線の搭乗券が必要。
料金: 時間制。利用時間により異なるため、現地の料金表または公式予約ページで確認。
支払い: 訪問時はクレジットカード利用可。
利用人数: 原則、大人1名につき1室。公式規約では5歳未満の子ども1名まで無料同伴可。
室内設備: ベッド、サイドテーブル、扇風機、電源コンセント(訪問時)。
必要なもの: 次の国際線の搭乗券。事前予約の場合は予約確認メールも必要。
チェックアウト: カードキーを返却し、預けた搭乗券を受け取る。
運営会社: SASCO(Southern Airports Services JSC)
公式サイト: https://www.sasco.com.vn/en
公式利用規約: https://www.sasco.com.vn/en/policy/terms-of-use-sl
※料金、設備、営業時間、利用条件は変更される場合があるため、利用前に最新情報を確認してほしい。