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メルボルンの街をトラムで巡る。無料エリアと乗車前に知っておきたいこと

メルボルンを旅するなら、ぜひ活用したいのが街中を走るトラムだ。CBD(Central Business District)には無料で乗車できる「Free Tram Zone」が設けられており、主要な観光スポットやショッピングエリアを巡る際の心強い味方になってくれる。

一方、無料エリアの外へ移動する場合は、運賃の支払いが必要。乗車方法や料金の仕組みを知らないまま利用すると、思わぬトラブルにつながることもある。今回は、メルボルンのトラムの歴史から、交通系ICカード「myki(マイキー)」の購入方法、料金体系、無料エリアの利用ルールまで、旅行前に知っておきたいポイントを紹介する。

メルボルンの街とともに歩んできた、トラムの歴史

メルボルンのトラムの歴史は、19世紀にさかのぼる。1850年代のゴールドラッシュによって人口が急増したメルボルンでは、市街地と郊外を結ぶ交通手段の整備が進められた。1885年には、道路の下を走るケーブルを利用して車両を動かすケーブルトラムが登場。1891年には17路線、約73kmにまで拡大し、単一事業者が運営するものとして世界最大規模のケーブルトラム網となった。

その後、郊外の住宅地の拡大に伴って電気式トラムが発展。20世紀前半には路線の統合や電化が進み、現在の広大なネットワークの基礎が築かれた。メルボルンでは、世界の多くの都市が路面電車を廃止していった時代にもトラムを残し、街の交通手段として発展させてきた。現在では、地元の人々の通勤・通学はもちろん、観光客にとっても欠かせない存在となっている。

トラムの基本的な乗り方と料金体系

交通系ICカード「myki」を利用しよう

メルボルンのトラムや電車、路線バスでは、交通系ICカード「myki(マイキー)」を利用できる。mykiは日本のSuicaやPASMOのようなカードで、あらかじめ残高をチャージしておけば、乗車時に専用端末へタッチするだけで運賃を支払える。カードは、駅の券売機や有人駅、mykiの取扱表示があるセブン-イレブンなどで購入可能。サザン・クロス駅には、購入やチャージについて相談できる「PTV Hub」も設けられている。

なお、現在はVisa・Mastercardのクレジットカードやデビットカード、対応するスマートフォンなどによるタッチ決済も利用できる。一般運賃で乗車する旅行者なら、mykiカードを購入せずに移動することも可能だ。ただし、支払い方法を途中で変えると、それぞれ別の利用履歴として扱われるため、1日の移動では同じカードや端末を使い続けるのがおすすめ。

1日の料金には上限がある!

メルボルンの公共交通には、一定時間内の移動に適用される「2時間運賃」と、1日の支払額が一定金額を超えない「Daily Cap(1日上限運賃)」という仕組みがある。たとえば、朝にトラムで観光地へ向かい、昼に電車で移動し、夕方に再びトラムに乗ったとしても、同じ支払い方法を利用していれば、対象となる運賃は1日の上限額までしか加算されない。2026年6月1日から2027年1月1日までは、ビクトリア州の公共交通料金が期間限定で半額となっている。この期間のメルボルン都市圏における一般運賃は、次のとおり。

運賃の種類料金
2時間運賃(Zone 1+2)2.85豪ドル
平日の1日上限5.70豪ドル
土日・祝日の1日上限4.00豪ドル

つまり、平日なら1日5.70豪ドルに達したあとは、対象となる公共交通を何度利用しても追加料金は発生しない。なお、料金は改定される場合があるため、旅行前には公式サイトで最新情報を確認しておこう。

トラムではいつタッチする?

トラムに乗る際は、ドアが自動で開かない場合、扉付近にある開閉ボタンを押して乗車する。そして、mykiを使って有料区間のトラムに乗る場合、基本的には乗車時にタッチオンする。メルボルン中心部を含むZone 1内で完結する一般的なトラム移動では、降車時のタッチオフは不要だ。一方、電車やバスでは、乗車時と降車時の両方でタッチするのが基本となる。クレジットカードなどのタッチ決済を使う場合は、乗車時と降車時に同じカードや端末を使い、案内に従って操作しよう。

中心市街地を無料で移動できる「Free Tram Zone」

メルボルン観光で特に便利なのが、CBDとドックランズの一部を対象とした「Free Tram Zone(無料トラムエリア)」だ。対象エリア内で乗り降りする場合は、トラムの運賃が無料になる。mykiカードを持っている必要もなく、乗車時・降車時のタッチも不要だ。ここで知っておきたいのは、無料になるのがエリアの外周を走るトラムだけではないということ。

無料エリア内であれば、中心部を縦横に走る通常のトラム路線も対象となる。たとえば、エリザベス・ストリートやスワンストン・ストリートなどを走るトラムも、乗車地点と降車地点が無料エリア内なら無料で利用できる。観光客に人気の35番「City Circle Tram」も、無料エリア内を巡る移動に便利だ。

注意したいのが、Free Tram Zoneの外へ移動する場合だ。たとえば、CBDからセント・キルダやメルボルン動物園などへ向かう場合、無料エリア内から乗車していても、有料区間に入る前にタッチオンする必要がある。反対に、無料エリアの外からCBDへ向かう場合も、乗車時から有効な乗車券が必要となる。無料エリアの境界に近づくと、車内アナウンスなどで案内されるため、乗り過ごさないよう注意したい。

また、無料エリア内だけを移動する場合に誤ってmykiをタッチすると、運賃が引き落とされることがある。無賃乗車と判断された場合には罰金の対象となる可能性もあるため、移動する前に目的地が無料エリア内かどうかを確認しておこう。

トラムを使いこなして、メルボルンの街歩きをもっと快適に

メルボルンのトラムは、街の歴史を感じながら移動できる便利な交通手段だ。CBDの無料エリアを上手に活用すれば、主要な観光スポットやショッピングエリアを気軽に巡ることができる。

一方、郊外へ足を延ばす場合は、mykiやタッチ決済を利用して、正しく運賃を支払うことが大切だ。基本的な乗り方と料金の仕組みを覚えておけば、初めてのメルボルン旅行でも安心して移動できるはず。歴史ある街並みを眺めながら、トラムでのんびりとメルボルンを巡ってみてはいかがだろうか。

INFORMATION|mykiの購入・チャージとトラム利用情報

交通系ICカード: myki(マイキー)

主な購入・チャージ場所:

  • サザン・クロス駅のPTV Hub
  • 有人駅の窓口
  • 対応する駅や停留所のmyki券売機
  • myki取扱店のセブン-イレブン

サザン・クロス駅 PTV Hub: Southern Cross Station構内、Spencer StreetとCollins Streetの角に近いコンコース

メルボルン空港からの移動: 空港とサザン・クロス駅を結ぶSkyBusはmykiの対象外。SkyBus専用の乗車券が必要となる。市内到着後、サザン・クロス駅でmykiを購入する方法も便利。

支払い方法: mykiのほか、一般運賃では対応するVisa・Mastercardなどのタッチ決済も利用可能

公式サイト: https://transport.vic.gov.au/

路線図・Free Tram Zoneマップ: https://transport.vic.gov.au/plan-a-journey/network-maps/melbourne-public-transport-maps

問い合わせ: Transport Victoria/1800 800 007(オーストラリア国内)

※料金や支払い方法、運行ルートは変更される場合があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認してほしい。