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メルボルンの夜を歩く前に。実際に遭遇した暴行被害と旅の安全について

オーストラリア屈指の観光都市、メルボルン。歴史ある建築やおしゃれなカフェ、美術館などが集まり、海外旅行先としても人気の街だ。一方、初めて訪れるなら気になるのが治安。「夜に出歩いても大丈夫?」「一人旅でも安心?」「スリや犯罪は多い?」と、不安に思う人もいるだろう。

実際に街を歩いてみると、日中は落ち着いた雰囲気で観光しやすい反面、夜には注意が必要だと感じる場面もあった。フリンダース・ストリート駅のすぐ近くでは、見知らぬ人物から突然暴力を受けるトラブルにも遭遇した。今回は、メルボルンの街の特徴や犯罪統計、実際の体験を交えながら、旅行中に気をつけたいポイントを紹介する。

メルボルンはどんな街?人口が増え続けるオーストラリアの大都市

メルボルンは、オーストラリア南東部に位置するビクトリア州の州都。歴史的な街並みと近代的な高層ビルが共存し、アートやスポーツ、カフェ文化が根づく都市として知られている。オーストラリア統計局によると、2025年6月時点のメルボルン都市圏の人口は約544万人。シドニーの約564万人に次ぐ規模で、直近1年間では約10万5,000人増加した。日本の都市と比較すると、人口規模は福岡市や大阪市より大きく、東京都全体よりは小さい。

観光で便利なのが、鉄道やトラム、バスなどの公共交通機関。特に中心部にはトラムの無料乗車エリア「Free Tram Zone」があり、主要スポットを効率よく巡れる。日中のCBD(中心業務地区)は人通りも多く、観光客が歩きやすい場所が多い。歩道や広場にもゆとりがあり、東京の繁華街ほど混雑していないと感じる場面もあった。ただし、昼間だから必ず安全というわけではない。海外の大都市であることを意識し、周囲への注意は忘れずにいたい。

メルボルンで多い犯罪は?統計から見る現地の治安

メルボルンの治安を考えるうえで参考になるのが、ビクトリア州の犯罪統計だ。2026年6月までの1年間に警察が記録した犯罪のうち、州全体では車内からの窃盗が約7万8,000件、暴行・関連犯罪が約5万3,000件発生している。

一方、メルボルン市内では、その他の窃盗や車内からの窃盗、店舗での窃盗、詐欺などが多く記録されている。犯罪統計を見る限り、薬物関連犯罪が最も多いわけではない。ただし、薬物が関係する可能性のある暴行や迷惑行為が、必ずしも薬物犯罪として分類されるとは限らない点には注意したい。また、統計に示される犯罪件数は、旅行者が被害に遭う確率をそのまま表すものではない。観光客にとっては、スリや置き引きへの備えに加え、夜間の移動や周囲の状況に注意することが重要だ。

夜のメルボルンは要注意。駅前で実際に遭遇したトラブル

昼間は快適に観光できたメルボルンだが、夜になると街の印象が変わる場所もある。特に注意したいのが、酔っている人や興奮した様子の人との予期せぬトラブルだ。実際、夜のフリンダース・ストリート駅前で街の写真を撮っていたところ、近くにいた見知らぬ人物から突然言いがかりをつけられた。写真に自分が写り込んだと思ったのかもしれないが、理由はわからない。相手は突然殴りかかってきて、その場を離れようとすると追いかけてきた。観光客が多く集まる有名な駅の目の前で起きた出来事だっただけに、強い恐怖を感じた。

また、夜の街では、歩道で身体を大きく前に折り曲げたまま、ほとんど動かない人を見かけることもあった。薬物の影響を連想させる光景ではあるものの、外見や姿勢だけで原因を判断することはできない。メルボルン全体が危険というわけではないが、繁華街や駅周辺でも、予測できないトラブルに遭遇する可能性はある。夜に外出する際は、できるだけ明るく人通りのある道を選び、様子のおかしい人を見かけたら距離を取ること。写真撮影に夢中になりすぎず、周囲の状況にも注意したい。少しでも身の危険を感じたら、無理に歩き続けず、近くのホテルや営業中の店舗など、スタッフのいる場所へ避難しよう。

スリや置き引き、飲食店の料金トラブルにも注意

夜間のトラブルだけでなく、旅行中は次のような点にも気をつけたい。

スリ・置き引き

メルボルンでは、ヨーロッパの一部観光都市のようにスリを強く警戒する印象はなかったものの、盗難への備えは必要だ。カフェでスマートフォンをテーブルに置いたまま席を離れたり、椅子の背もたれにバッグを掛けたりするのは避けたい。トラムや駅でも、財布やスマートフォンは目の届く場所に保管しよう。また、レンタカーを利用する場合は、車内に荷物や貴重品を残さないこと。車内からの窃盗が多く記録されている点を踏まえても、特に注意したいポイントだ。

詐欺や飲食店の料金トラブル

メルボルンの飲食店では、土曜・日曜や祝日に追加料金(サーチャージ)が設定されていることがある。これは必ずしも「ぼったくり」ではなく、オーストラリアで認められている料金体系だ。ただし、店舗側には料金をわかりやすく表示する義務があるため、注文前にメニューの注意書きを確認しておこう。なお、2026年10月からは、主要なクレジットカードやデビットカードでの支払いを理由とする追加手数料が禁止されている。週末・祝日の追加料金とは異なるため、覚えておくと安心だ。

夜の移動手段

メルボルンでは週末を中心に、深夜の公共交通機関「Night Network」も運行している。ただし、深夜は運行本数が限られることがあり、停留所で長時間待つ場合もある。夜遅くまで観劇や食事を楽しむ予定なら、帰りの移動手段を事前に調べておこう。宿泊先が遠い場合や、人通りの少ない場所を歩く必要がある場合は、タクシーや配車サービスを利用するのも選択肢だ。

治安を理解して、メルボルン観光を楽しもう

メルボルンは、歴史ある街並みや文化施設、グルメなど、多くの魅力を持つ都市だ。日中は公共交通機関を利用しながら快適に観光でき、街歩きそのものを楽しめる。その一方で、夜間には思いがけないトラブルに巻き込まれる可能性もある。実際に暴力的な被害に遭った経験からも、海外旅行では周囲への警戒を怠らないことが大切だと感じた。

夜は明るい道を選び、危険を感じる場所には近づかない。移動手段を事前に確認し、必要に応じてタクシーや配車サービスを利用する。必要以上に怖がるのではなく、現地の状況を知り、適切な対策を取ること。それが、メルボルン旅行を安心して楽しむための第一歩になるはずだ。

INFORMATION|メルボルン滞在中の緊急連絡先

万が一、旅行中に犯罪や事故などのトラブルに巻き込まれた場合は、まず自身の安全を確保し、必要に応じて現地の警察や救急機関に連絡しよう。

緊急通報(警察・消防・救急):000

オーストラリアでは、警察・消防・救急の緊急通報番号が共通している。事件や事故、火災、救急車が必要な場合など、緊急時には「000」に電話する。

警察への相談(緊急時以外):131 444

緊急性のない犯罪被害の相談や、警察への届け出などに利用できる。

在メルボルン日本国総領事館

パスポートの紛失や盗難、事件・事故に巻き込まれた際の相談先として、在メルボルン日本国総領事館の安全情報も確認しておきたい。

旅行前には、緊急連絡先をスマートフォンに保存しておくと安心だ。